現在プログラミング言語は、メジャーなものからマイナーなものまで含めると、数百種類あるといわれています。その中で、よく使われているものは、数十種類から約10種類です。今回は、公開されてから約30年という期間が経過しながらも、今も開発の現場で使われ続けているプログラミング言語「Java」の人気の理由を探っていきます。
主要なプログラミング言語とその人気ランキング
エンジニアにどのプログラミング言語を習得させるかは、研修担当者によくある悩みといえるでしょう。エンジニア側からしても、どの言語を習得するのがいいかは、キャリア形成にとって重要です。
主なプログラミング言語
近年よく使われているプログラミング言語には、どのようなものがあるか見てみましょう。(アルファベット順)
- C
- C++
- C#
- Go
- Java
- JavaScript
- Koltin
- Objective-C
- Pearl
- PHP
- Python
- R
- Ruby
- Swift
- Visual Basic
この中でも主要なものについて、概要を簡単に説明します。
C系言語(C、C++、C#):高速処理でハードウェア制御が可能
C言語の系列にはさまざまなものがあります。その歴史は深く、開発されたのは1972年といわれています。汎用性の高さと処理速度の速さが特徴で、ハードウェアの制御が得意です。C言語からはさまざまな言語が派生しています。
オブジェクト指向などが追加され、ハードウェアとソフトウェアのどちらも開発可能なC++は、Google3大プログラミング言語のひとつです。マイクロソフト社によって開発されたC#もありますが、こちらは同じC系でもハードウェアではなくアプリケーション開発向きです。
Go:Google3大プログラミング言語に次ぐポジション
Goは、2007年、Googleによって開発されました。公式サイトによると、軽量な同時並行処理が特徴で、Chromeによる表示コンテンツの最適化や世界中で利用されているGoogle製品を快適に動作させるために使われているとされています。Google5大言語のひとつです。
Java:世界でもっとも需要の高い言語のひとつ
Javaは、1995年にSun Microsystem社によって公開されたプログラミング言語です。オブジェクト指向で、ハードウェアやOSに依存しないことからくる汎用性の高さと開発できるジャンルの広さが特徴といえます。
システム開発をはじめとして、Webやアプリ開発にも使われます。有名なところでは、TwitterやMinecraft、Androidアプリなどです。IDE(総合開発環境)を整えるのは、初心者には若干ハードルが高いかもしれませんが、習得すれば仕事につながりやすい言語です。Google3大プログラミング言語のひとつでもあります。
JavaScript:Webページの動きを作り出す
一見Java系の言語のようですが、実はまったくの別物です。JavaScriptは、Webブラウザ上で動作するプログラミング言語で、Webページに動きを出すために欠かせません。広告や閲覧履歴などで入れ替わる画像などに使われます。1995年、ネットスケープによって開発され、2007年にGoogle Chromeに搭載されたことで、需要が高まりました。
Python:人気上昇中のプログラミング言語
Pythonは、1991年に開発されたプログラミング言語です。Webや機械学習、ブロックチェーンの開発などに使われます。文法がシンプルでわかりやすく、誰が書いても同じになりやすいという点で人気がありますが、実行速度が遅い点がデメリットといわれています。Google3大言語のひとつです。
プログラミング言語の人気ランキング(世界)
ご紹介するのは、オランダのTIOBE Software社が、約20年間、月次で発表し続けているプログラミング言語の人気ランキングです。検索された回数の多いプログラミング言語をベースにTIOBEインデックスとして独自に指標化、それに基づいて作成されます。
Googleだけでなく、Amazonや中国最大の検索エンジンBaiduなど、世界25の検索エンジンが対象です。では、TIOBE Software社が発表した2022年9月の人気プログラミング言語のランキングを見てみましょう。
1位:Python
2位:C
3位:Java
4位:C++
5位:C#
6位:Visual Basic
7位:JavaScript
8位:Assembly language
9位:SQL
10位:PHP
1位は近年注目されているPythonでした。JavaとC系言語で上位5位までを占めていることがわかります。6位以下にランクインしている言語も、Visual BasicやSQL、PHPなど、よく知られているものばかりです。納得のランキングといえるのではないでしょうか。なお、Goは12位で、Apple社のObjective-Cは、24位から11位へとジャンプアップしています。
同サイトでは1年前のランキングとの比較もあります。2021年9月のランキングとの違いは2点です。1位と2位が入れ替わったこと(1位:C 2位:Python)と、9位と10位が入れ替わったこと(9位:PHP 10位:SQL)です。それ以外のランキングに変更はありません。
これはつまり、上位のランキングに大きな変動はないことを意味します。もう少し長いスパンでのランキングをグラフで示すと次のようになります。
期間をさらに10年間、遡ってみましょう。この30年間の世界のプログラミング言語の動向がわかります。
プログラミング言語 | 1987年 | 1992年 | 1997年 | 2002年 | 2007年 | 2012年 | 2017年 | 2022年 |
Python | – | – | 28 | 12 | 7 | 8 | 5 | 1 |
C | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 | 1 | 2 | 2 |
Java | – | – | 16 | 1 | 1 | 2 | 1 | 3 |
C++ | 6 | 2 | 2 | 3 | 3 | 3 | 3 | 4 |
C# | – | – | – | 14 | 8 | 4 | 4 | 5 |
Visual Basic | – | – | – | – | – | – | 14 | 6 |
JavaScript | – | – | 24 | 8 | 9 | 10 | 8 | 7 |
Assembly language | – | – | – | – | – | – | 10 | 8 |
SQL | – | – | – | 7 | – | – | – | 9 |
PHP | – | – | – | 6 | 5 | 6 | 7 | 10 |
TIOBE Index for September 2022の情報をもとに作表
C系言語は開発されたのが1972年と古く、ハードウェアの制御を得意とすることもあって、上位の常連といえます。Javaは登場からまもなくトップに躍り出て、その後はトップ3圏内です。Pythonは公開から徐々に人気を上げていることがわかります。
プログラミング言語の人気ランキング(国内)
筆者が調べた限り、国内で長年にわたりプログラミング言語の人気ランキングを追っている機関はありませんでした。各組織が独自の調査をしているという現状でしょう。その中でも、開発需要や求人数の多さなどから、上位と予測されるプログラミング言語を4つご紹介します。
- Python
- C系言語
- Java
- JavaScript
これに、Google5大プログラミング言語ひとつとされるGoを加えてもいいかもしれません。日経クロステックの調査によると、Rustも学びたい言語として人気があるとしています。(「プログラミング言語人気ランキング2021」(日経クロステック(https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01711/070700003/))
なお、Rustとは、2006年に開発が始まったプログラミング言語で、2015年から安定したアップデートが行われています。同時並行処理とメモリ効率に優れていることが特徴です。TIOBE社のランキング(2022年9月)では、26位に入っています。
Javaの特徴とできること
ここで、Javaの特徴とできることを見てみましょう。
Javaが長年人気上位に入っているのには、理由があります。オブジェクト指向の代表選手で、開発効率が良く、実行処理速度と堅牢性に優れ、ライブラリの豊富さに加えて、プラットフォームに依存しないこと、IDE(総合開発環境)も整っている点、必要な部分から始めて拡張していけるなどの点が挙げられます。
具体的にJavaでできることには、次のようなものがあります。
- 大規模システムの開発
- PCやAndroidアプリの開発
- Webやゲーム開発、IoT(組み込みシステム)の開発
では、具体的にどのようなシステムやアプリがJavaによって構築されたか事例を見てみましょう。
大規模システムとは、銀行の基幹システムや配送システムなどです。三菱東京UFJやみずほ銀行がJavaを使っています。PCやAndroidアプリでは、Open OfficeやTwitter、Facebookなどがよく知られています。Webサービスなら楽天市場やEvernote、ゲームならMINECRAFTが有名です。
まとめ
弊社では、長期間にわたり上位を維持しているJavaの汎用性と需要の高さを評価し、毎年春にプログラミング講座を開講しています。
変動のあるプログラミング言語のトレンドを反映し、学習内容やコース編成を毎年見直しています。プログラミングそのものを学ぶことはもちろん重要ですが、エンジニアを育てる前に人を育てるための、以下5つの無料オプション講座をご用意しています。
- ビジネスマナー講座
- コミュニケーション講座
- チームビルディング講座
- Excel実践講座
- PowerPoint実践講座
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