研修効果の高め方!すぐに実践したいポイント10選

研修効果の高め方!すぐに実践したいポイント10選

研修効果をどのように高めるかというのは、研修担当者にとって大きな課題でしょう。人材育成という定量化や短期間で成果を上げることが難しい課題に対して、経営層は数字をはじめとするわかりやすい結果や成果を求めます。そこで今回は、そんなジレンマに悩まされている研修担当者に向けて、研修効果の高め方10選をお伝えします。

研修担当者のジレンマ

改めて申し上げるまでもないかもしれませんが、弊社は企業研修の中でも、特にデジタル人材の育成に特化した教育事業者です。通常、弊社へのご相談や連絡窓口となるのは研修担当者の方でして、色々と打ち合わせもさせていただきます。

そうした中でよくお聞きするのが、冒頭でご紹介した研修担当者のジレンマです。「企業研修は、単発や短期ですぐに効果が現れるものではない。そうと分かっていながら、経営層には研修という投資に対する効果として、数値のような定量的で分かりやすい成果を報告しなければならない」といった声をよくお聞きします。

経営層向けの報告をする傍ら、研修そのものに対してどのように効果を高めたら良いのかというご意見も度々お聞きしますので、具体的な方法をご紹介します。

研修効果を高める方法10選

企業研修の効果を高めるには、いくつかの方法があります。研修前と研修中、研修後という3つのフェーズに分かれますので、それぞれにご説明しましょう。

研修前:研修ニーズの把握

弊社では、研修ニーズは大きく3つに分かれると考えます。

  • 現場の課題解決に必要なスキル
  • 経営層が決めた研修
  • 市場や社会の変化が生み出すニーズ

それぞれのニーズを把握するには、ヒアリングやアンケート、業績の分析といった方法があります。何が求められているかを確認する中で、具体的にどのような課題があるかを探るのが非常に重要です。

現場の課題解決に必要な研修の場合、「どのような課題があり、それをどのように解決したいのか」を必ず確認しましょう。目下の課題を解決するための研修は、受講者のモチベーションが上がりやすいからです。

その一方で、将来を見越して今のうちからスキルアップしておくという考え方の研修もあります。こちらは市場や社会の変化を見据えて、経営層が決断することも珍しくありません。具体的には、DXなどデジタル関連の研修が該当します。このような場合には、業界や市場、自社の業績予測などを見ながら必要性を周知していくことになります。

研修前:研修の目的と目標を明確にする

研修の目的と目標を明確にしましょう。「何のための研修か」「誰のための研修か」「何を習得させるのか(目標とするのか)」という軸から考えると決まりやすいのでおすすめです。

一口に企業研修といっても、新入社員研修スキルアップ研修、コミュニケーション研修、マネジメント研修、コンプライアンス研修などのように、さまざまな研修があります。同じ研修でも、受講者が変われば内容や目標も変わってきますので、その都度設定し直したり、確認するようにしましょう。

例えば、同じデジタル関連の研修をするとしても、新卒を対象に基本的なPC操作の研修をするのか、中堅社員を対象にデジタルマーケティングの研修をするのかで、目標設定はかなり変わってきます。

「新卒がExcelの基本的な操作をできるようになる」「中堅社員がデジタルマーケティングの基礎を理解し、各部署内で初歩的なことを実践できるようになる」というように目標を定めましょう。小テストを設けてスキルが身についたか確認するとよいでしょう。

研修前:動機づけ・当事者意識の醸成をする

研修実施前によくあるのが、「受講者自身が研修の意味を理解していない」「上司が研修に協力的ではない」といった現象です。この場合、以下のような理由が考えられます。

  • 研修の目的と選出された受講者のミスマッチ
  • 研修の目的が受講者に十分に伝わっていない
  • 上司が研修に無関心(協力的ではない)

忙しい現場では、研修の意味や目的が十分に理解されていないことは珍しくありません。研修がどのような課題解決のために用意されたものなのか、何に役立つのか、どのようなスキルが身につくのかといった受講の意味や効果を繰り返し伝える必要があります。

受講者本人の学習意欲確認や上司への協力依頼、上司から受講者への働きかけなど、この段階では研修に参加することの価値を繰り返し伝えることが重要です。文書やスライドだけではなく、動画を用いるなどして理解を促すという方法もあります。

また、研修前のリマインドも忘れないようにしましょう。1週間前や数日前、前日など、受講者本人と上司にメールやメッセージを送信します。予約送信の機能があれば、作業負担を軽くできます。

研修中:受講者の参加を促す内容を盛り込む

座学だけでは眠気を誘ってしまうというのは、よくある話です。実際に手足や頭を動かすような参加型・体験型の内容を研修に盛り込みましょう。

  • 簡単なクイズ
  • ロールプレイング
  • グループディスカッション
  • ワークショップ
  • 成果発表(プレゼンテーション)

研修内容によって、何を用いるのが適切かは異なります。コンプライアンス研修ではクイズ、営業スキル研修ならロールプレイング、コミュニケーション研修ではグループディスカッションというように、受講者と研修目的、目標に合わせて取り入れるようにしてください。

研修中:適切なペース配分(休憩)を心がける

研修を実施する側からすると、あれもこれもと内容を詰め込みたくなってしまうものです。しかし、受講する側からすると、あまりにもペースが速かったりボリュームが多かったりすると、それだけで意欲が低下してしまいかねません。研修中は、受講者の学習ペースを考えて研修のペース配分や休憩を適宜入れるようにしましょう。

諸説があるものの、人間の集中力は短い人では15分、長い人でも90分といわれています。できれば45-60分程度で小休憩を入れる構成とし、集中が途切れないようにするとよいでしょう。

また、研修前の目的や目標設定の影響を受ける部分でもありますが、研修の内容をあまり広範にせず、重要なポイントに絞ったほうが受講者に内容が伝わりやすくなります。

研修中:受講しやすさに配慮する

就業時間内に集合研修に出席するのは難しいという受講対象者もいることでしょう。そのような場合には、録画した講義を見られるようにしたり、テキストを事前に渡しておいて講師へ個別の質問を許したりといった配慮が大切です。

また、急きょ欠席せざるを得なくなった受講者にもフォローが必要です。当日の研修内容の共有や個別の質問を許可するなど、しっかり受講してほしいという意図を伝えるようにしましょう。自分は期待されているという認識が意欲につながるケースも少なくありません。

対面だけはなく、メールやチャット、オンライン講義や録画(動画)配信など、さまざまな手法を駆使して受講対象者が研修を受講できるよう環境を整えることも大切だといえます。

研修中:失敗を許し、そこから学習させる

研修は実務に備えた練習です。研修中のミスや失敗は、目くじらを立てずに許容することをおすすめします。むしろ、誰かの失敗をひとつの事例として捉え、どうして失敗してしまったのか、どうすれば失敗を防げるのかといった学びを得ることに目を向けましょう。

人は成功だけでなく失敗からも学ぶことができます。特に、自分自身や身近な人が失敗した経験は強く印象に残る傾向があるといわれています。一般的にビジネスの世界では、失敗は避けるべきものです。

研修という機会を最大限に活用するのであれば、「失敗が許されている場」であることを受講者に伝え、挑戦や学びの場とするよう促しましょう。

研修後:受講者に研修内容の実践を促す

受講後に大切なのは、研修内容が実務に役立つと知ってもらうことです。毎日の業務の中でもどのようなシーンで役に立つのかを研修で伝え、実践できたかどうかをフォローすることも大切です。

企業研修は実施して終わりではなく、そこからがスタートです。実務に戻るとあっという間に受講者が忙殺されてしまうということでは、誰も得をしません。研修終了後に一定の期間を設け、どのようなシーンで実践できたか報告をさせて実践の有無を確認しましょう。

一緒に研修を受講した仲間が、研修後もコミュニケーションを取りやすいようにしておくことも大切です。受講者同士で自発的に刺激し合い、モチベーションを維持しやすい環境を用意しておきましょう。

研修後:上司や所属部署に研修後の成果を確認してもらう

受講者に研修内容の実践を促すだけでなく、上司や上司経由で所属部署にも協力を求めましょう。そうすることで、「会社から期待されている」「必要とされている」ことを研修で得て実践する場を設けてもらっていると実感しやすくなります。

特に上司には、部下が受講した研修内容を実践できた場合には、声掛けをするといったアクションをするよう依頼しておきましょう。部署内でも、研修受講者が学んだ内容を知らせておき、実務で役立った場合にはフィードバックを与えるなどの配慮をするようにしておくことをおすすめします。

誰でも自分がスキルアップすることは嬉しいですし、それが部署や会社に役立つと分かれば更なる動機づけにつながるでしょう。研修内容をアウトプットする場を設けておくことも大切です。

研修後:能力開発には時間がかかることを理解してもらう

研修後すぐに成果を求めたくなる気持ちはわかりますが、企業研修(能力開発・人材開発)には、時間がかかることを経営層や受講者の上司を含む所属部署に理解してもらいましょう。新卒で入社した人材が一人前になるには数年以上から、長い場合にはもっとかかるというのが一般常識といえるでしょう。

それが、企業研修となった途端に、何故か投資に対する結果をすぐに求められるというのは、もしかするとおかしな話なのかもしれません。しかし、そのような現実の中で研修担当者が苦戦しているのを弊社は知っています。

教育事業者として言わせていただけるならば、人材育成は一朝一夕に成し遂げられるものではありません。中長期的な視点を持ち、短期的な効果が出ないとしても継続する必要があることを経営層や各部署に理解してもらう必要があるといえるでしょう。

まとめ

今回ご紹介してきたように、研修効果の高め方にはさまざまな方法があります。ここで取り上げた10のポイントを参考に、今後の研修に役立てていただければ幸いです。

解決しなければならない課題は、企業によって異なります。どのような研修がいいか決めかねるという場合には、弊社に一度ご相談ください。課題を解決し人材育成ができる研修をともに考えご提案します。

この記事を書いた人

吉野竜司|Ryuzi Yoshino株式会社アイクラウド 代表取締役CEO

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