コロナ禍で明確になる人材育成に対する企業の考え方|倍増した研修へのお問い合わせから感じたこと

コロナ禍で明確になる人材育成に対する企業の考え方|倍増した研修へのお問い合わせから感じたこと
コロナ禍2年目の夏となる2021年8月、弊社の研修に対するお問い合わせはお陰さまで倍増しました。この変化には理由があると感じたことに加え、企業によって人材育成に対する考え方の違いが少しずつ明確になってきているとも感じます。今回は、その点について考察してみたいと思います。

この記事の内容

  • 前年比200%となった8月のお問い合わせ
  • 明らかになりつつある研修に取り組む姿勢の違い
  • デジタル対応の二極化が進んでしまう前に

前年比200%となった8月のお問い合わせ


この8月、弊社へのお問い合わせは前年比200%に増加しました。コロナ禍という状況下、研修から足が遠のいていたお客さまのほうからコンタクトがあったことは、弊社にとって非常に嬉しいニュースでした。倍増というインパクトの強さもあったといえます。

前年比(単年)では200%という伸びを示したものの、コロナ前と比較をするとどのような結果になるのかと考え、この数年の8月のお問い合わせ実績を調べてみました。すると、2020年の数字は、実はコロナ前と大きく変わらないことが判明しました。

コロナ禍でお問い合わせが減少したとばかり思っていましたが、それは自分の思い込みだったということです。それよりもむしろ、2020年8月のお問い合わせが例年とそれほど変わっていなかったことに驚きを覚えました。

コロナ禍にありながら研修へのお問い合わせが増えたことはありがたく、身が引き締まる思いがします。それは、具体的なお問い合わせが多かったことも関係しています。

ここで云う「具体的なお問い合わせ」とは、お問い合わせの段階から、その内容が非常に明確なことに加えて、社内でよく検討されていることが分かることを意味します。どのスキルを習得させるか決まっている、人材育成ゴールがはっきりしている、そして予算が明確などです。

通常であれば「この講座に興味がある」「受講を検討している」「補助金について詳しく知りたい」などの切り出し方が多い中、この点は大きな違いといえます。よく考えてみれば、コロナ禍で変わったのは、お問い合わせ件数ではなくその内容だったといえるでしょう。

明らかになりつつある研修に取り組む姿勢の違い


この時期にお問い合わせが増えた理由のひとつに、予算消化という要素があることは否定しません。しかし、いつ終わるとも知れないコロナに怯え、身動きが取れなくなっている状況から脱却しようとしていることが感じられます。

2020年から「ウィズコロナ」という言葉を見聞きしてはいましたが、一周回ってどのようにコロナと付き合っていくかへとシフトし、見送っていた人材育成が再開されたと実感します。そこにあるのは、この状況を成長の機会と捉え、研修で現状を打破するという強い意思です。

人材育成が重視されていると感じたのには、もうひとつ理由があります。予算の増額です。上期の予算で人材育成を考えていた企業が、弊社からの提案書を検討し、上限のある上期予算ではなく、これから予算化する下期での実施検討に変わったというケースがありました。

あくまで一例ですが、その結果として予算は倍増。これに本気を感じ取らずにはいられません。実は、弊社にお問い合わせいただくお客さまには、共通する特徴があると感じています。手前味噌と揶揄されるかもしれませんが、人材育成を本気で考えている企業だという点です。

8月に多くお問い合わせいただいたのは、弊社の人気定番講座「Excel研修」「PowerPoint研修」「Webマーケティング研修」の3つです。

デジタル対応の二極化が進んでしまう前に


Excelは主に業務効率化、PowerPointは企画書や提案書など社内外向け資料作成・プレゼン能力の向上、Webマーケティングは勢いを増すEC市場への進出やシェア拡大をそれぞれ狙うもので、各企業が必要とする研修は同じではありません。

同じといえるのは、コロナ禍で急激に加速した在宅勤務や会議・コミュニケーションのオンライン化、EC化などの流れを受けて、研修実施を決断されていることです。現在は第4次産業革命と位置づけられ、DX(デジタルトランスフォーメーション)の渦中にあります。

リスキリングの記事でもご紹介しましたが、今後求められる能力は「価値を生み出し続けること」です。そのためには、自社にとっての価値とは何か、その価値を生み出せる人材が備えている能力は何か、そのような人材を育成または確保する方法などについて、経営陣と連動しながら人事が考えていかなければなりません。

それと同時に、価値を生み出し続けられる体制づくりも不可欠です。個々人の能力を補い、またかけ合わせることで大きな力を発揮するのは、さまざまな個性が集まるチームという支えがあるからです。

2020年9月に経産省が発表した人材版伊藤レポートが話題になったのを覚えている方も多いでしょう。コロナ禍における人材育成の課題は山積していますが、前進するためにはひとつずつ取り組んでいくしかありません。

まとめ


弊社にとっては分かりやすく結果が出た8月でしたが、コロナ禍において人材育成の重要性が高まっていることに変わりはありません。この流れが一過性のもので終わることのないよう、その重要性を繰り返しお伝えしていきたいと思います。

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この記事を書いた人

吉野竜司|Ryuzi Yoshino株式会社アイクラウド 代表取締役CEO

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