ウェブ広告3つの運用方式とよく使われている広告の種類について

ウェブ広告3つの運用方式とよく使われている広告の種類について

広告費の約1/3がウェブ広告という時代になりました。コロナ禍でも成長を続けてきたウェブ広告の勢いは、運用型という方式にあると考えます。そこで今回は、広告費全体やウェブ広告費の推移、運用型が求められる理由、ウェブ広告の中でも構成比の高い広告の種類について見ていきましょう。

広告業界をけん引するインターネット広告

2022年2月、電通などが発表した「2021年 日本の広告費」というレポートによると(「2021年 日本の広告費」電通ほか(https://www.dentsu.co.jp/news/release/2022/0224-010496.html))、広告市場が回復し、中でもインターネット広告(ウェブ広告)の成長が市場をけん引しているとわかります。

過去3年間の推移を見てみましょう。コロナ禍前の2019年、日本の総広告費は6兆9,381億円でした。2020年には6兆1,594億円と前年比約11%のマイナス成長となりましたが、2021年には6兆7,998億円と、ほぼコロナ禍前の水準へと戻ったことが示されています。

総広告費に占めるインターネット広告費の割合は、2019年が2兆1,048億円(同年全体比30.3%)、2020年が2兆2,290億円(同36.2%)、2021年が2兆7,052億円(同39.8%)です。前年比で見ると、2019年は119.7%、2020年は105.9%、2021年は121.4%の成長を遂げています。

今回、インターネット広告費がマスコミ4媒体の広告費を上回ったことも取り上げられています。マスコミ4媒体の広告費は2兆4,538億円(全体比36.1%)で、インターネット広告費は2兆7,052億円(全体比39.8%)でした。

マスコミ4媒体由来のデジタル広告費が、初めて1,000億円を突破したことも注目されています。マスコミ4媒体由来のデジタル広告費とは、インターネット広告費全体に占めるマスコミ4媒体(TV、新聞、雑誌、ラジオ)のインターネット広告費の割合を指します。具体的には、スマートフォンによるTV・ラジオ視聴時の広告やウェブ上でのイベント時に流れる広告などです。

2020年、コロナ禍によって総広告費が約10%も市場規模を縮小した中でもインターネット広告は順調に業績を伸ばしてきました。そして、今後もいっそうの成長が予測されています。

なお、こちらの記事では2020年のインターネット広告費について触れていますので、よろしければお時間のあるときにご一読ください。

3種類のインターネット広告と構成比

次に、インターネット広告の内訳を見てみましょう。インターネット広告には、運用形態の違いからくる3種類の広告があります。

3種類のインターネット広告

  1. 成果報酬型:商品購入など求めるアクションが発生した場合に報酬を得る広告(アフィリエイト)
  2. 予約型:日時や出稿場所などを指定する一定額の広告
  3. 運用型:リアルタイムに広告効果を見ながら最適な枠に出稿していく広告

アフィリエイトは広告のひとつですが、出稿料を支払って商品やサービスの認知度を高めるものではないため、本記事では説明を割愛します。

予約型とは、従来のマスメディアの広告のように、掲載内容や場所、日時、期間、料金などを決めて表示させる広告です。広告掲載に必要なことを事前に決めておきますので、従来のマスコミ広告と同じだと考えるとわかりやすいのではないでしょうか。具体的な掲載先は、人気サイトのトップページや注目の動画配信者のトップ画面、動画内などです。

運用型とは、リアルタイムに広告効果を確認しながら最適な枠に出稿していく広告を指します。従来のマスコミ広告とは異なり、掲載先のウェブメディアや掲載場所、入札額が変動します。その一方で、予算や掲載内容(「クリエイティブ」)、ターゲットを調整しながら広告効果を最大化できるのが特徴です。

インターネット広告媒体費に占める3種類の広告の構成比

前述した「日本の広告費」の詳細分析によると(「2021年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」電通ほか(https://www.dentsu.co.jp/news/release/2022/0309-010503.html))インターネット広告媒体費(インターネット広告費から制作費と物販系ECプラットフォーム広告費を差し引いたもの)に占めるそれぞれの広告の割合は、次のとおりです。

  • 成果報酬型:4.4%
  • 予約型:10.4%
  • 運用型:85.2%

過去の推移を見ると、この構成比は多少の変動があっても大きく変わることはなく、インターネット広告の世界では運用型が主流だといえます。自社商品やサービスに対して好反応を示すメディアやターゲットを確認しながら出稿できるのが魅力といえるでしょう。

では、次に、運用型の中でもどのような広告が人気なのか見てみましょう。

インターネット広告媒体費の中でも比率の高い広告

インターネット広告の中でも、比率が高い広告は3種類です。

  1. 検索連動型広告:検索キーワードと連動する文字情報のみの広告
  2. ディスプレイ広告:検索キーワードと連動する文字や画像、簡単なアニメーションを合わせた広告
  3. 動画広告:動画内や開始・終了時に配信される広告。ウェブページ内で再生される動画広告もある

2021年のそれぞれの広告費の規模を見てみましょう。

 予約型運用型
検索連動型7,991億円(37.0%)
ディスプレイ広告797億円(3.7%)6059億円(28.1%)
動画広告837億円(3.9%)4,291億円(19.9%)

電通ほか「2021年 日本の広告費」をもとに作成。()内はインターネット広告媒体費比

検索連動型の広告がもっとも市場規模が大きいとわかります。しかし、文字情報のみのため、低予算から始めることができる一方で、視覚的にわかりにくいという特徴があります。

ディスプレイ広告は、文字情報だけではなく画像や簡単なアニメーションで動きを持たせられるのが特徴といえます。バナー広告によくある2パターンほどの画像で動きを出すアニメーションなどです。画像を使うことができるので、文字のみよりわかりやすくなり、目立たせることもできます。

動画広告は、情報量が多く商品やサービスの魅力を伝えやすい、ストーリー性を盛り込むことができる一方で、製作費が高くなりやすいというのが特徴です。視聴動画と同じサイズで流れるインストリーム広告が主流で、SNSとの連携も盛んと、さらなる成長への期待が高い広告といえます。

それぞれの企業の予算や商品・サービスに応じて、インターネット広告を使い分けることが重要です。

インターネット広告を効果的に運用するために

インターネット広告を効果的に運用するためには、どの広告をどのように使うのが効果的なのかを理解しておかなければなりません。そのためには、どのような表現が適切なのかに加えて、入札の仕組み、入札に影響するキーワード検索、広告効果を確認するための指標、ウェブマーケティングにおけるインターネット広告の位置づけなどを知っておく必要があります。

そしてインターネット広告の代表格といえるのがGoogle広告です。入札などにはGoogle社のウェブ広告ツールを使用します。弊社の「ウェブ広告運用実践講座」では、ウェブ広告の運用に必要な知識やスキルを、計10時間(2日間)で学んでいただけます。ご興味がございましたら、こちらをご覧ください。

まとめ

ウェブ広告市場の成長には勢いがあり、それに呼応して人材を募集する求人も数多く見られるようになってきています。コロナ禍でデジタル化が急速に進んだ今、ウェブ広告は、どの企業にも関係してくる話といえるでしょう。実践的なウェブ広告運用のノウハウを学び、ぜひ貴社の強い味方としていただけたら幸いです。

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この記事を書いた人

吉野竜司|Ryuzi Yoshino株式会社アイクラウド 代表取締役CEO

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