ExcelマクロとVBA|学ぶ意味と業務効率化への一歩

ExcelマクロとVBA|学ぶ意味と業務効率化への一歩

リスキリング支援コースが創設されてから、研修へのお問い合わせが増えています。その中でも、Excelの人気やニーズには安定したものがあります。Excelをもう少し使いこなしたいというご要望を受けて、弊社にてリスキリングExcelマクロVBA講座を開講する運びとなりました。そこで今回は、ExcelマクロとVBAの基本に加えて、VBAを学ぶ意味や業務効率化にどのように貢献するのかについてお伝えします。

ExcelマクロとVBAをリスキリングで学ぶ意味

改めてお伝えするまでもないかもしれませんが、Excelはビジネスシーンに必須のアプリです。表計算アプリとして計算や集計に使うのはもちろんのこと、表やグラフの作成、データ管理や分析などに使われています。簡単な文書なら、WordよりもExcelを利用するという方もいらっしゃるでしょう。

ところが、一歩進んでマクロやVBAという話になると、その途端に難しそうだからという理由で敬遠される向きがあるように感じます。Excelは多くの機能を持つ優秀なアプリで、作業の自動化、つまりマクロの利用も可能です。マクロを使えるようになるために必要な学習時間は、そう多くはありませんが、その点があまり知られていないのでしょう。

こちらの記事(Excelマクロ(VBA)でできることとは?作業自動化の事例15選|超初心者向け)では、どのようなことが自動化できるのかという事例を取り上げています。Excelマクロを使えるようになれば、日ごろの業務の中で「ちょっと手間だな」「毎回これが面倒だ」などと感じる作業に要する時間を短縮できます。

例えば、以下のような作業を自動化可能です。

Excelマクロでできること

  • 定型文書の印刷
  • 入力されたデータのチェック
  • データ分析
  • ファイルの分割や集約
  • PowerPointやOutlookとの連携

このような日常的に発生する細かな作業は、つい自分が知っている、または慣れている方法を繰り返してしまいがちです。しかし、1日に何度も繰り返すルーチンワークであれば、そのひとつひとつを数分短縮できるだけで、1日に数十分、場合によっては数時間という時間を作り出せます。

この積み重ねが非常に大きいということを、ぜひ知っていただきたいと思います。実は、なかなか目に留まりにくく、見落としてしまいやすい部分でもあるのですが、この差をどのように考えるかによって、業務効率は大きく変わってくるといっても過言ではありません。

次に、ExcelのマクロとVBAとは何かと、その違いについて見ていきましょう。まずは、マクロからです。

マクロとは?何ができるのか

Excelのマクロとは、Excelの機能のひとつで、一定の操作を自動化することを指します。マクロというとExcelというイメージがあることから、こちらの記事でもマクロはExcelで使う機能として扱わせていただきます。

Excelでマクロを作成するには、以下2つの方法があります。

  • マクロの記録を利用する
  • VBAでマクロのコードを書く

Excelにはマクロの記録という機能が備わっていて、それを使えば、手軽にマクロを使うことが可能です。マクロの記録とは、Excelで行った操作を自動化する機能をさします。マクロの記録というボタンを押してから、記録終了というボタンを押すまでの間に実行した一連の操作が、マクロとして記録されるという仕組みです。

コード不要で作業を自動化できるため大変便利な一方で、自動生成されたコードならではの特徴もあります。人間が書いたのとは明らかに異なるまわりくどさというか、余分なコードが多く含まれてしまいます。

そこで、必要になってくるのがVBAです。VBAの基礎を知っていれば、自動生成されたコードを簡潔なものへと修正できます。シンプルな構造であれば、作業にかかる時間を短縮できますし、何かアレンジを加えたいときにも対応できるようになります。

VBAとは?マクロとの違い

VBA(Visual Basic for Application)とは、マイクロソフト社によって開発されたプログラミング言語です。WordやExcel, PowerPointといったOffice製品に含まれるアプリケーションの機能を拡張できます。

機能拡張とは、アプリケーションに後から機能を追加することです。その具体例のひとつが、Excelマクロだといえます。

マクロは、Excelが持つ機能を組み合わせてひとつの作業として自動化することだとお伝えしました。それを可能にしているのがVBAというプログラミング言語です。VBAを用いてExcelに、「この作業とこの作業を実行してください」などのような指示を出しているということになります。

つまり、マクロは、VBAというプログラミング言語で書かれたプログラムだといえます。そのプログラムをどのように書くかという、文法や構造などのルールを学ぶのが、プログラミングだといえるでしょう。

わざわざExcelの拡張機能を使わなくても、Excelの既存機能を活用すれば、業務は遂行可能です。しかし、自動化できる部分がどこなのかを見極めることができ、それを実際にVBAでプログラミング(プログラム化)できれば、作業効率は格段に向上するとお分かりいただけるのではないでしょうか。

そこで、次に、Excelマクロを使って自動化できることを簡単に見ていきましょう。

Excelマクロできる自動化・効率化と導入のメリット

Excelの既存機能を活用して自動化・効率化できることは、少なくありません。前述の具体例を取り上げてみましょう。ここでは、Excelマクロを学ぶメリットをお伝えします。

自動化・効率化の事例

マクロでできることとして、以下5つを冒頭で取り上げました。

  • 定型文書の印刷
  • 入力されたデータのチェック
  • データ分析
  • ファイルの分割や集約
  • PowerPointやOutlookとの連携

定型文書の印刷では、売上一覧表から顧客ごとに毎月の請求書を印刷できるようになります。

新規にお問合せいただいた企業の基本情報やセミナー・イベント・展示会などで担当者と交換した名刺情報などをリスト化する作業は、ビジネスの世界ではよくあることです。入力された情報に抜けや洩れがないか、データ形式が揃っているかどうかの確認作業もマクロで自動化できます。

会社全体の売上を顧客や商品・サービス別、月別に分けるという作業も、マクロを使えば簡単です。

共有フォルダ内に月別でそれぞれ格納していた売上データ(Excelファイル)をひとつにまとめることも、その反対にひとつのExcelファイルで管理していた売上データを顧客や商品・サービス、年度ごとに分割することもできます。

また、経費を部署や勘定項目ごとに集計し、一覧表をOutlookで関係者に自動的に送信することも、集計結果をグラフ化した上で、PowerPointにスライドとして自動で貼り付けることも可能です。

不要になる作業の事例

仮に、Excelマクロを習得すれば、以下のような作業をする必要がなくなります。

  • 複数人によって入力されたデータを目視で確認し、不備を手作業で修正
  • 毎月の請求書を手作業で顧客ごと集計した上でそれぞれ印刷
  • 月次の営業報告書に必要なデータを課ごとに集計してからグラフ化
  • 過去5年間の売上推移を作成するため、年度ごとのデータをコピペして統合
  • 備品の発注リストからぞれぞれの発注先用のリストを作成し、メールに添付して送信
  • クレーム一覧から該当部署のものを抽出しグラフ化してPowerPointにコピペ

手作業でしかできないと思っていたことが、マクロで自動化できるとしたら、どうでしょうか。効率化することで浮いた労力や時間を、会社の利益に直結する重要な仕事に回せるでしょう。それが、Excelマクロを学習するメリットです。

リスキリングExcelマクロVBA講座(オープン講座)を開講

弊社では、この11月から「リスキリングExcelマクロVBA講座」をスタートします。オープン講座とは日時や内容が決まっているタイプの講座です。内容をご紹介しましょう。

講座概要

  • 受講時間数:1日6時間×3日間 合計18時間
  • 講義時間:10:00~17:00(休憩1時間)
  • 講義方式:Zoomオンラインライブ
  • 定員:30名
  • 受講料:132,000円(1名)

3日間でExcelマクロVBAの基礎から応用、実践へと進みます。学習項目は、以下のとおりです。それぞれの学習項目にはそれぞれ実践的な演習問題があり、手を動かしながらVBAによるプログラミングのポイントを効率的に学びます。

  • 1日目(基礎):マクロ自動記録、VBA の基本、変数と関数、セルや行・列の操作、表・シート操作
  • 2日目(応用):ファイル操作、条件分岐処理、繰り返し処理、データ並べ替え・抽出、シートの印刷
  • 3日目(実践):データ整形・分析、表を複数シート分割・ファイル出力、複数ファイル集約、PPT・Outlook 連携

まず、ExcelマクロVBAの基本として、VBAの基本的な文法や構造とマクロの自動記録を学びます。次に、実践的なVBAスキルとして、条件分岐やループなど、実際の業務でよく用いられるVBAプログラミングを学びます。

基本と実践的なVBAスキルに続くのが、Excel 業務の自動化を図り、生産性を向上させるマクロの作成方法です。最後に、自動処理した結果をPowerPointやOutlook など、他のアプリケーションへアウトプットする連携について習得します。

2日間で学習した内容を確認するのが、3日目です。演習問題の連続となりますが、学習内容を定着させるため、そのようにしています。3日間という限られた時間で、最大限に学習効果を感じてもらえるよう、講座を設計しました。

助成金を利用する場合の費用試算

リスキリングExcelマクロVBA講座には、人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)の活用をおすすめします。助成金を利用した場合、負担する費用がどれくらいになるのか見ておきましょう。

リスキリング支援コースの助成対象は、研修費用と研修期間中の賃金の一部です。大企業と中小企業とで助成金額や助成率が異なり、手厚い支援を受けられるのは中小企業のほうです。リスキリングExcelマクロVBA講座の場合、以下のようになります。

中小企業の場合

講座料金:132,000円(税込)
経費助成:132,000×75%=99,000円(上限30万円)
賃金助成:960円×18時間=17,200円(100円未満切り捨て)
合計:116,200円
差額:15,800円

本来の講座料金132,000円のところ、中小企業であれば、1名15,800円で受講可能となりますので、実質の費用負担は約12%にまで減少します。

大企業の場合

講座料金:132,000円(税込)
経費助成:132,000×60%=79,200円(上限20万円)
賃金助成:480円×18時間=8,600円(100円未満切り捨て)
合計:87,800円
差額:44,200円

大企業の場合でも、1名44,200円で受講できるため、実質の費用負担は約33%です。

人材開発支援助成金・事業展開等リスキリング支援コース
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html

まとめ

Excelマクロを使えるようになると、効率化できる作業がたくさんあることに気づくでしょう。VBAというプログラミング言語を少々学ぶ必要がありますが、マクロを活用するためには必要なことです。習得すれば、業務の自動化・効率化に貢献できます。

現在の業務にかかっている労力や時間を低減できれば、生産性の向上につながります。VBAのようなプログラミング言語には、難しそうというイメージがあるかもしれません。しかし、それを理由にExcelマクロが敬遠されているのだとしたら、もったいないことです。

そのような場合には、Excelのマクロの記録を使ってみるところから始めてみましょう。そのようにして少しずつ慣れていけば、Excelマクロから業務効率化に取り組めるようになります。

この記事を書いた人

吉野竜司|Ryuzi Yoshino株式会社アイクラウド 代表取締役CEO

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