Windowsにはキーボードを駆使した便利技があります。「マウスを使わずに済む」「左手だけで対応可能」など、作業効率をアップできるのがショートカットキーです。マウスでカーソルを動かした上でボタンをクリックしてという一連の操作を、キーの組み合わせによりすぐに実行できます。DXやリスキリングなどの話題を見聞きすることが多い昨今ですが、まずは自分のPCスキルを向上させるところから始めましょう。
使えば効率アップ!基本のショートカットキー10選
WindowsにはExcelやPowerPointなどのアプリがありますが、ショートカットキーはそのいずれにも共通するものです。アプリの枠を超えて使うことができます。まずは、基本中の基本として、よく使うショートカットキー10選を使ってみましょう。
【編集】4つ(コピー・カット・ペースト・全選択)
- コピー:Ctrl+C
- 切り取り(カット):Ctrl+X
- 貼り付け(ペースト):Ctrl+V
- 全選択:Ctrl+A
作業中によく使うのは、「コピー」や「貼り付け(ペースト)」でしょう。「切り取り(カット)」もあります。「Ctrl」は、Control(コントロール)キーで、通常もっとも左手前にありますので、確認してみてください。Ctrlキーを左手の小指で押さえながら、もうひとつのキーを人差し指などで押します。
コピーはCopyのCとわかりやすいですが、切り取り(カット)はCではありません。(Copyで使っています)Xがハサミの形を表しているともいわれます。ペーストもPではありません(Printで使っています)。一瞬わかりにくいかもしれませんが、すべてキーボードの下から2列目にあり、隣り合っていますので、まとめて覚えてしまいましょう。
全選択とは、ワークシートやスライド内の全部を選択するときに使うショートカットキーです。AはALLのAと覚えましょう。マウスを使ってドラッグし、範囲選択する必要はありません。全選択を使えば、一瞬で終わります。
【編集】2つ(元に戻す・検索)
少し慣れてきたら、元に戻す操作も試してみましょう。元に戻す操作とは、一つ前の操作に戻すということです。例えば、切り取ったものを切り取り前に戻す、大きさを変えた画像を変更前に戻す、文字列をペーストしたけれども取りやめるなどです。
文字列や数字などを探したいときは、検索しましょう。FはFindのFです。開いているワークシートやスライド内から該当するものを表示します。
【ファイル】4つ(保存・開く・新規・印刷)
- 保存:Ctrl+S
- 開く:Ctrl+O
- 新規:Ctrl+N
- 印刷:Ctrl+P
作業中のファイルを保存し忘れることのないよう、保存は最初に覚えておきましょう。SはSaveのSです。開くはOpenのO、新規はNewのN、印刷はPrintのPです。ファイル関連の操作は、英語そのままのものが多いので、比較的覚えやすいのではないでしょうか。ファイルを開くときのOや印刷時のPは右手で押しましょう。
入力をラクで確実に!便利な辞書登録
PCで何か作業をする際、入力は必ずついてまわる問題です。入力を効率化したいときは、辞書機能を使いましょう。よく使う定型文や変換が面倒な単語の入力を簡単、かつ正確にしてくれます。例えば、次のような場合です。
辞書登録しておくと効率化できる入力の例
- メールやメッセージの書き出し(挨拶や名乗りなど)と結び(挨拶)
- 取引先や社内の関係者で氏名に難しい漢字や間違いやすい漢字が使われている
メールやメッセージの書き出しに加えて、結びの部分では同じような表現を使うことが多いです。「いつもお世話になっております」などの定型文は、最初の数文字だけで全文を表示させることが可能です。例えば、次のようにしてみましょう。
- いつもお世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。→「いつも」
- 平素より大変お世話になっております。株式会社〇〇の〇〇でございます。→「へいそ」
- おはようございます。〇〇です。→「おは」
- お疲れさまです。〇〇です。→「おつ」
- ありがとうございます。→「あり」
- ご確認の程よろしくお願い申し上げます。→「かくにん」
- ご検討の程よろしくお願い申し上げます。→「けんとう」
お客さまや取引先の方などに、通常の変換ではなかなか表示されない漢字が氏名に含まれている場合も便利です。辞書登録しておけば、変換候補の上位に表示されます。
似たような漢字がたくさんあり、間違えてしまうと失礼に当たる場合なども同様です。例えば、サイトウさんには、該当する漢字がいくつもあります。この方にはこの字というように、間違えないよう登録しておくことをおすすめします。
辞書登録の方法
まずは、日本語入力システムを呼び出します。通常画面右下にある「あ」または「A」の文字を右クリックの上で「単語の追加」を選択するか、日本語入力がオンになっていれば、Ctrl+F7キーで辞書登録画面が表示されます。
単語と読みを入力し、必要に応じてコメントや品詞などの情報を加えます。最後に登録ボタンをクリックすれば、単語の辞書登録は完了です。登録の操作そのものは、決して難しくはありませんので、ぜひ活用してください。
作業画面(ウィンドウ)の切り替え技!見たい画面を最前面に
仕事中に、いくつものアプリやウィンドウを開いているのは、よくあることです。あちらの情報を確認しながら、こちらの資料を作ってというような場面は、日常茶飯事といえます。そんなとき、自分が見たい画面を最前面に呼び出す技を知っていると便利です。
「Alt」は、オルトと呼ばれます。AltはAlternate(オルタネート)で、交互や交替という意味です。Altキーは通常、スペースキーの左右にあります。「Tab(TAB、tab)」は、タブキーです。通常、キーボードの左側、半角と全角を切り替える半/全キーの下にあります。
スペースキーの左にAltキーがある場合は、Altキーを親指で押さえたまま、Tabキーを中指や薬指で押します。Tabキーで画面選択するため、何度か押して最前面に表示させたいものを選びましょう。選択候補は左から右へと動きます。
なお、あまりたくさんウィンドウを開くのはおすすめしません。開きすぎると、ウィンドウの選択ミスをはじめとして、何をどこまでやっていたかわからなくなったりしてしまいかねません。
スクリーンショット撮影に左手のみで対応(範囲選択も可能)
- スクリーンショット:Windows+Shift+S
画面のスクリーンショットを保存しておくことも、決して珍しいことではありません。スクリーンショットを撮影するには、「PrtScr(PRTSC)」キーを押します。PrtScrキーは、Print Screen(プリントスクリーン)の略です。キーボード単体の場合には、テンキーの上部に、ノートPCの場合は、右上のほうにあることが多いです。
キーボードやPCの種類によっては、それに加えてもうひとつのキーが必要です。「Windows」キー(左下にある窓のマークのキー)や「Fn」キー(Function(ファンクション)キー)を同時に押さなければなりません。しかし、次のショートカットキーなら、左手のみで対応可能です。
「Shift」キーは、シフトキーと読みます。キーは3つ必要ですが、両手を使う必要がありません。押すと画面が少し暗くなりますので、右手のマウスで範囲選択しましょう。切り取った画像はそのままメールやチャット、アプリなどに貼り付け可能です。
つまり、名前を付けて画像を保存したり、改めて画像範囲の選択(トリミング)をしたりしなくても済むということです。言葉ではなく画面を見せたほうが早いという場合には、簡単にスクリーンショット撮影+範囲選択(トリミング)ができるので、使うシーンは多いのではないでしょうか。
一瞬でデスクトップを表示
何かの折に、作業中のウィンドウをすべて最小化したいこともあるでしょう。ノートPCの場合には、画面を閉じることができるかもしれませんが、デスクトップPCなどでは、それができません。そのようなとき、瞬時にデスクトップを表示させる技を知っていると役立ちます。
デスクトップは、なるべく必要最小限のショートカットやファイルだけを置くようにしましょう。せっかく、作業中の全ウィンドウを最小化しても、デスクトップ上が散らかっていては、その意味が薄れてしまいます。
キー操作のみで名前を付けて保存
ショートカットキーのところで取り上げた保存(Ctrl+S)は、実は上書き保存です。ここでは、キー操作のみで名前を付けて保存する方法をお伝えしましょう。
F12キーは、通常キーボードの最上列にあり、1~12まで横一列に並んでいます。12より上のFキーはありません。通常は、「ファイル」メニューから「名前を付けて保存」を選択しなければなりませんが、F12なら一発で名前を付けて保存の画面が起動します。
マウスを使わずにアプリを起動
- アプリ起動:Windows+数字キー(Windowsキーから右に何番目か)
マウスを使わずにアプリを起動することも可能です。まず、タスクバーによく使うアプリを登録しましょう。タスクバーとは、通常画面のもっとも下にある、黒く帯状に表示されている部分のことです。一番左にWindowsマークがあり、右側には日付や時間、日本語入力などが表示されています。
タスクバーにアプリを登録するには、デスクトップのアイコン(ショートカット)をドラッグしましょう。「タスクバーにピン留めする」と表示されますので、それを選択します。このたった二手間で、タスクバーにアプリが登録され、キー操作のみでアプリを起動する準備が整いました。
画面左下のWindowsマークの右隣には、アイコンがいくつか並んでいるでしょう。例えば、ブラウザのアイコンがWindowsマークから2つ右側にあったとします。ブラウザを起動させたいときには、Windowsキーと左側からのアイコン並び順の数字(つまり、2)を押さえましょう。このとき、Windowsマークの右隣にある「タスクビュー」を除いて数えてください。
一般的には、デスクトップ上のアイコン(ショートカット)をダブルクリックしてアプリを起動することが多いでしょう。しかし、この方法なら、マウスを使う必要がありません。よく使うアプリがいくつか決まっている場合に、特に重宝します。アプリがすでに起動済みの場合、そのアプリの画面へと切り替わりますので、試してみてください。
まとめ
Windowsには、マウスを使わずにキー操作だけで作業できるショートカットキーが、実はたくさん用意されています。マウスが思うように動かないときやマウス操作をする時間すら短縮したいと思うときが、毎日の仕事の中にはあるでしょう。
ここでご紹介したWindowsの便利技は、作業効率アップに役立つものばかりです。最初は時間がかかるかもしれませんが、徐々に慣れていきますし、そのうちに手が自然と動くようになります。キーボードを使いこなせるようになってくると、作業効率アップはもちろんこと、きっとPC作業が楽しくなりますよ。